病気について

「眼瞼・顔面けいれん友の会」について

代表 東海林雅子
 

「眼瞼・顔面けいれん」でお悩みの方、お互いに情報交換をしながら一緒に支え合いませんか?

この会は、「瞼が開かない、目が見えない、病名がわからない」などに加えて、周囲の人に理解をしてもらえないと訴える患者の声から生まれました。患者同士の話からは、病院や医師たちなど専門家の間にも診断や治療法が浸透していないことがわかります。ましてや、家族や職場など周囲の人たちに辛い症状を理解してもらうことは、困難です。患者たちは、病気の苦しみに加えて、家族との問題を抱えて精神的にも苦しんでいます。そのために、この会は同じような症状やつらさを持つ患者同士で、病気との付き合い方や乗り越え方などについて、話し合い、助け合うことを目的としています。

病気の原因は、違いますが瞼のけいれんに加えて顔の片側にけいれん症状が表れる顔面けいれんの患者たちとも一緒に助け合っています。

井上眼科病院の若倉雅登名誉院長、清澤眼科医院の清澤源弘院長の先生方には、会の立ち上げ時から顧問を引き受けて下さり、多方面からの応援をしていただいております。この会は趣旨に賛同される方であれば、どの病院の患者でもそのご家族でも会員となることが出来ます。是非、ご参加をお待ちしております。

 

眼瞼けいれんと顔面けいれんについて

顧問 井上眼科病院名誉院長  若倉 雅登

 

眼瞼けいれんは、一般的な「けいれん=ぴくぴく」のイメージとは違って、目が開けにくいとか、つぶっていたいとか、開いていても瞬きが多くなり、常に目がしょぼしょぼする不愉快な病気です。顔面けいれんの方は、「片側(へんそく)顔面けいれん」が正式病名で、片側の瞼(まぶた)や頬、口のまわりが勝手にピクピクする病気です。どちらも、ボツリヌス毒素による治療が健康保険の適応になっていますが、原因も症状もかなり違うのです。

これらの病気では、視覚障害とは認められず、本人はその症状で非常に辛い思いをしているのに、一見すると病気と気づかれないこともあって、その辛さが理解されないのです。しかも、健常な方々と同じ効率での仕事や生活を要求されますので、患者さんはさらに辛い立場に追い込まれます。

とくに眼瞼けいれんでは、社会もこの病気を理解しないばかりか、大方の医師もそうなのです。一般眼科で「ドライアイ」と間違えられ、治療をずっと受けていたが、全然よくならなかったと、何件目かにようやく私どもの外来にたどり着く患者さんが大変多いのです。私も、医学講演の機会があると、「ドライアイにしては自覚症状が強すぎたり、ものにぶつかりやすいなど自分の移動に支障があるような方では、この病気の存在を疑ってください」とアピールしてはいますが‥。

そして、患者さんの辛い立場を、実感として理解する医師はかなり少なくなっています。ひとつの大きな理由は、日本の医療制度では医師が忙しすぎて、患者さんと十分なコミュニケーションを取る時間が少なく、患者さんの辛さを慮るゆとりが生まれないことです。このように病気は、日本社会の構造や、医療制度の未熟さを露呈してくれるのです。
 

Copyright(c) 2008 眼瞼・顔面けいれん友の会 All Rights Reserved.