体験談 (60代女性)

ホームページから友の会へ

60代女性

病気の始まりは約3年前の事でした。仕事中に外出しようと事務所を出た途端、あまりの外の眩しさに目が開けられない程の異変を感じました。「真夏でもないのになぜ」と不安になり、すぐに眼科へ行き、あれこれと検査を受けましたが、異常なしでした。「3ヶ月後にまた検査に来てください」と言われ、取りあえず様子を見ることにしましたが眩しさは続きました。3ヶ月後再検査をしましたが、やはり結果は異常なしでした。その後も定期的に検査を続けていたのですが、症状は悪くなるばかりで、1年後は目を開けている事が辛く、ショボショボ感も強く、仕事に支障をきたすようになりました。病院を変えてみましたが、「ドライアイがあるので目薬を出しておきます」との診断でした。

これ程自覚症状があるのに異常がないとはおかしい。もしかして脳に異常があるのではと不安は増すばかりで、脳神経受診のために大学病院へ行きました。3軒目の病院でした。取りあえず又眼科から検査が始まりましたがまたも異常はないとのことでした。数回の眼科検査後、初めて神経内科へ回されました。神経内科でも幾つもの検査を受けることになりましたが、この頃体調不良と精神的な不安がピークに達し、鬱状態になっていました。

「いったい私は何の病気なのだろう」と診断結果が出るまで不安な日々が続き、いたたまれずパソコンに自分の症状を入力して検索をかけたところ「眼瞼痙攣」のホームページにたどり着きました。「眼瞼痙攣」とは初めて聞く病名でしたが、まさに私の症状そのものが書いてあり、衝撃を受け、力が抜けた事を思い出します。病名があるのなら、2軒の大きな病院でなぜ眼瞼痙攣を疑ってもらえなかったのだろうか、と残念な思いが残りました。大学病院の結果も「眼瞼痙攣」と分かり、ボトックス注射を受けることになりました。多くの方々と同じように、発症から病名判明まで長い道のりでした。

病名が分かった後も「友の会」を知らなかったので、体調不良に一人悩み、苦しい日々でした。私の場合、注射しても良かったり悪かったりで、あまり改善が無い時は大変落ち込みます。ついつい下向き加減で歩いていて人や物にぶつかったり、打ち合わせ中に目を閉じてしまって「聞いてますか。眠たいのですか」の問いかけに情けなくなり、涙が出そうになったことも幾度もあります。集中力は低下し、やる気が出ず、人に会いたくない、仕事を辞めたいと消極的になり悩んでいる時、看護師の方から「友の会」を教えていただき、入会しました。例会に出席し直接お話を聞いたり、会報を手にしたことで、多くの方々がこの病気で悩み、又前向きに治療に取り組んでおられる事を知り一筋の光を感じました。

遠方に住む私たちは、ボトックス注射を受けながらも情報不足で、今後の対処法や治療法など、先生方の貴重なお話を聞く機会のあることも知らずに一人苦しんでいる方もおられます。会報は貴重な情報源です。私にとっては薬のような存在ですし、頼みの綱となっています。

この病気の治療法がさらに解明される事を願うところですが、患者同士で情報が共有でき、前向きに病気と向かいあっていけたら幸いに思います。

Copyright(c) 2012 眼瞼・顔面けいれん友の会 All Rights Reserved.