体験談 友の会への期待

「友の会」への期待

            (男性)

 

私には、長年眼瞼けいれんを患っている80歳の母親がいます。

随分前から「眼が開かない。まぶしい。しょぼしょぼする。」などと訴え続けていましたが、もともと「一匹のメダカ」を「鯨の大群」のように大げさに表現する母の事ですから、そうした訴えを私はまともには受けとらず、「大丈夫、大丈夫!要は気の持ちようだから!」などと、適当に聞き流していました。

しかし、いつの頃からか、母との会話の大半が眼の話しばかりになっていることに気づき、母のつらい言葉を聞くたびに、私の心も苦しい気持ちになり、「これは早急に何とかしなければ・・・」と思い始めました。

そんな折、ホームページで「友の会」のことを知り、早速、事務局のある井上眼科病院へ連絡をしたところ、多忙にもかかわらず看護部長さんが親切に対応してくださり、「一度、友の会に参加してみよう!」という気持ちになり、初めて例会へ参加させていただきました。例会には、母と同じ症状で悩んでいる患者さんが100人以上も参加しており、お互いに活発な意見交換をしていました。

よく「病気は一人で悩まない」「抱え込まない」ことが大切と言われますが、それは病気と長く付き合っていく上でとても重要なことだと思います。

例会では、院長ほか数名の医師の医療講演も行われ、予防・症状・診断・治療など多岐にわたる話は、今後の治療や生活を考えていく上で大変役に立ちました。医師から直接このような話しを聞くことは、日頃マスコミ情報に惑わされている私たちが正確な医療情報を得る上で、大変有効だと思います。

講演の中で院長は、「眼瞼けいれんは、単に眼だけの病気ではなく、心のありようが影響している」という内容にまで言及され、「病は気から」ということを改めて認識させられました。

定期的に発行されている会報には、友の会会員の体験談が満載されていて、大変役に立ちました。私はバックナンバーをすべて入手して読みあさりましたが、同じ病気と闘っている患者さんの姿に、励まされるものが多々ありました。

「友の会」では電話相談も行っていますが、誰にも分かってもらえないつらさや苦しみを丁寧に聞いて、受け入れてくれるのでとてもいいサービスだと思います。なぜなら、人は悩みや苦しみを人に話すだけで気持ちが楽になり、励まされるものだからです。こうした「友の会」の様々な活動は、患者さんやご家族の心の支えになっています。

現在私は、全国各地で「患者の自立」をサポートする活動を行っていますが、同じ悩みを抱える患者同士の集まり(患者会=友の会)の存在はとても重要だと思います。これまでのような「お任せ医療」から「自分の身体は自分で守る」という「生命の主人公」「身体の責任者」としての自覚を持つことが必要だと思います。

患者会の利点は、同じ病を抱える者同士がざっくばらんに意見交換し、お互いに励まし合えることです。一人で悩み、苦しんでおられる方は、ぜひ一度友の会の活動に参加してみませんか?勇気を出して一歩踏み出すことで、病気と闘う力や勇気がわいてくることでしょう。「友の会」は、患者同士・家族同士が共に学び合い、分かち合う交流の場です。

みんなで力を合わせて、病気と闘っていきましょう。

 

(患者としてでなく、ご家族としてボランティアに登録してくださいました。)注・編集者

 

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