体験談 生活の広げ方~使って便利!~

体験談発表
「生活の広げ方~使って便利!~」
(友の会会員女性)

 サングラスをつけて壇上に上がるのかを悩みました。とにかくまぶしいのです。
本当は二重にサングラスをしていて、雨でも室内でも真冬でもかけています。
若倉先生に眼瞼けいれんと診断していただきました。症状としてはともかくまぶしい。
大部分の人と違うのは目を開けていようと思えば開けていられるのですが、光そのものだけでなく、あらゆる視覚情報に対し過敏に反応して気持ち悪くなる。映像を見るのがつらい。目を開け続けることや、TVで動く映像などとんでもない。乗り物で外を見ると、景色も凝視できないので目を閉じる。家事、掃除、料理もものすごく目を使うので、結局目を閉じてしまう。状況としては皆様と同じようなところも多いです。
趣味のコーラスは楽譜や先生の指揮を見られないので辞めてしまい、生活が一変して何も楽しめないのです。どこかに治療法があるかと探しました。正直明日目を覚ましたら、治っていると思いたいし、今でも思っています。

 そんな自分の転換のきっかけとなったのは80歳近い全盲の女性との出会いです。
 その方は盲導犬とともに出かけ、パソコンでメールをし、本を読み、合唱団で歌をうたい、鍼灸師の仕事も持っています。その方が言うには、「目が不自由だったらそれに変わる手段をもてばいいんだ。」ということで、視覚障害者用のツールを教えてくださいました。
 自分はもう何もできないと思っていたのですが、何かの助けを借りることでひょっとしたら何かができるのではないかと、少しずつ考えが変わりました。
10周年の会報に記載しましたが、たとえばパソコンに音声ソフトを入れるとメール文も読んでくれる。テキスト形式なら全部を音声で聞ける。パソコンで自分の打った文章も画面に出れば読んでくれるので目が見えなくても便利。ものすごく楽です。
録音図書、カセット、CDなどあり、小さな機械に入れて聞ける。ながら読書ができる。
また、図書館でボランティアさんが週に一回、本を読んでくれる。これがすごく楽しい。もっともっとツールはあります。

 コーラスにも今は復帰して一番の楽しみです。すべて投げ出してしまって0%になるより、たとえ50%でも60%でもやって、積み上げていけばまだまだ捨てたものじゃない。
 携帯のメールもつらいですが、パソコンに転送して耳から聞くなど少しでも楽にする。すこしでも楽にする方法はないか、なんでもいい。道具、サービスは向こうからはやってこない。使える物はつかう姿勢です。昔からの友人関係はちょっと変えていかなければならないところもありますが、新しい人とのつながりが強くなってゆきます。精神的にも強くなります。
 真正面からガッとやってダメになるのではなく、あっちこっちと楽をしながら乗り越えていく、そんなことができるのかなと思っています。原因も治療法も分からない病気だとうつうつとしていた自分とちょっと違う自分になれました。どうぞ皆さんもいろいろ試してみて、いい方法があったらまた教えて下さい。

 

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